清光が生きてゆくための物語




photo by まりん

『ゆき場所撮影録』等で表紙になっている写真は清光が白い襟巻をしていますが、こちらは赤い襟巻になり、爪紅を塗った、青い目の清光とみんなとの1枚。

ゆき場所はオムニバス形式のお話であり、各話数にそれぞれ核となる刀剣男士がいます。
その刀剣男士が患者となり、退所までの流れを描いているのですが、そのすべては『加州清光』が生きてゆくために必要な条件であり、さまざまな伏線を張り巡らせながらお話を進行させました。



photo by ちゃーりー&群青

1話で堀川が花と脱出し、いぶきで過ごしている時。
つまりは神援士に堀川がいない時、清光が独りきりで安定を助けようとし、その結果〈安定を刀剣破壊〉してしまいました。そこでは「生きるために理由がなくたっていい、だって僕達助けられたんだから」と言ってくれる人はおらず、清光自身も自刃します。これを0話としてゆき場所では扱っていますが、5話の撮影風景動画の冒頭がこのシーンに当たります。


photo by ちゃーりー

そんな清光は6話の最後には、安定の選択を受け入れ、助けられたものとして、生きてゆくことを選びました。
ですが安定との別れを受け入れることと、自分が自分でいていいということを受け入れることは別です。
だからこそ、清光は安定を看取った後、一緒に過ごした場所、軌跡をたどる時間が必要でした。
軌跡をたどった後、夢の中で安定に爪紅を塗ってもらい、安定が大切にしてくれた自分自身を、やっと今のまま受け入れていくことができるようになった清光。その象徴として、赤い襟巻と爪紅姿を描きました。
ゆき場所のイメージカラーは白。その中で赤が映える…そんな撮影場所を見つけることが出来て良かったです。